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杉田 浩一
社団法人
宮崎県ジェイエイ食品開発研究所
技術開発顧問 農学博士 杉田 浩一

ウガラシの中で辛み種のトウガラシ(hot pepper)に対して甘み種(sweet pepper)がピーマンで、フランス語のpimentがその語源といわれています。原産は2000年前、中南米にさかのぼりますが、アメリカで品種改良が進み日本に入ってきたのは明治時代。その後国内での産地が形成されるまでに約半世紀を要しました。

ピーマン

急激な生産拡大は、1975年以降、食の欧米化による需要増と国民の健康志向が根底にあるものと考えられます。

戦後その栽培法を導入されたのは、西都市の甲斐章さん、坂本篤農夫さんでした。お二人は戦後の農業の建て直しを計るため、出身地高知を訪ねました。当時、宮崎県内はキュウリ栽培が広がりつつありましたが、何とその3倍の収益をあげている高知県のピーマンにびっくり。すぐに導入を実践されました。

昭和40年生産者は9名になりましたが、10アールあたりの収穫量は3.9トン程度。さらに40年代、JA西都の矢野孝利さんは試行錯誤を重ね、糸吊り法、交配法の研究でついに9トン台の収穫量にこぎつけました。その後同JAの営農支援課長の守永俊一さんは再度高知に乗り込み、さらに新しくU型栽培法(誘引交配法)を考案し、名実ともに優れた宮崎ピーマンの地位を築き上られたのでした。

私共の研究所で分析した「宮崎ピーマン」の分析結果を表にします。ビタミンCがレモン汁の3倍強の130mg、βーカロチンが500μgですから当然ビタミンAも多く、全国平均(四訂版)を大きく上回っています。これは宮崎の豊かな日照によるものでしょう。これらのビタミン類は葉緑素や食物繊維とあいまって抗変異原生(発ガン抑制効果)を発揮するものと考えられます。

元農水省食総研の篠原先生はピーマンの生で73%、加熱しても52%の高い抑制効果(対発ガン物質Trp-P-2)があったと報告しています。またピーマンに近年見いだされたビタミンPや豊富なカリウムは、血管の弾力を増し血圧を下げ循環器系の働きを良くするだけでなく、皮膚、髪、爪につやを与えます。健康維持と美容に最高の野菜といえます。

ビタミン類特に脂溶性ビタミンであるビタミンAの吸収性からは炒め物がよく、チンジャオロースは栄養バランスからも優れたピーマンメニューと思われます。今回は、夏に向かいますので、その名も「太陽のサラダ」をご紹介します。