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杉田 浩一
社団法人
宮崎県ジェイエイ食品開発研究所
技術開発顧問 農学博士 杉田 浩一

マトはナス科で多年生草本、南米アンデス高原に起源します。インカ族は、太陽神を崇拝したことから、トマトの真紅の実を神聖な果実として珍重したといわれます。紀元前に中南米を経てメキシコへと伝播していきました。16世紀に分化しながらヨーロッパに伝わり、19世紀にイタリアで野菜としての品種改良が進み、その数は8000種に及びます。

トマト

トマトの生産量は1960年代から急増し、スイカ、タマネギ、キャベツ、キュウリと共に世界五大野菜として成長してきました。因みにトップの生産国は中国で日本の18倍(1,360万トン)を生産しています。また一人当たりトマトを最も食べる国はギリシャで、オリーブオイル、チーズ、エスカルゴ、ワインなどとともに長寿食材として評価されています。

日本には17世紀ポルトガル船によって伝えられました。その後は加工用として栽培される程度でした。加工はカゴメの創始者、蟹江一太郎によって始められました。生食用トマトの栽培はずっと後の昭和初期からで、アメリカ系トマト(大玉)の導入からです。

トマトは熟した時の色で桃色系、赤色系、黄色系に分けられます。日本では当初桃色系で大果・豊円のフルーツグローブ、扁平のポンデローザが栽培されたことから、トマトのイメージとして桃色で丸い形が定着しました。その後、改良種で先のとがったファーストが登場します。身がしまり味もアクセントがあり好まれましたがパックに不向きなことからやがて桃太郎に取って代わられます(1980年代)。桃太郎も桃色系、丸玉で完熟して収穫するタイプですから、定温流通の発達が一躍市場拡大を可能にしたといっていいでしょう。

同じ頃にミニトマトも出回りました。美味しさとかわいさが受けて安定して伸び、現在では普通トマトの10%程度のシェアを保っています。

宮崎県でのトマト生産量は約18,000トン(全国13位)で、その約3割がミニトマト(全国5位)です。宮崎市と近郊を中心に県下全域に渡って栽培されています。品種は桃太郎系、エキストラ系(ミニ)が主です。今後、栽培技術の向上による量的拡大が期待されます。

さて、「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言う諺があります。トマトはガン予防のACE(エース)と呼ばれ、ビタミンA、C、Eが特に豊富です。1ケでこれらの標準摂取量の2、3割をカバーします。酸味はクエン酸とリンゴ酸で食欲を増進します。トマトは熟するにつれて葉緑素がカロチノイドに変化していきます。そのほとんどが赤い色素のリコピンです。リコピンは強い抗酸化効果(β-カロチンの2倍、ビタミンEの1000倍)を有することから、ストレス、喫煙、飲酒、紫外線などによる生体の活性酸素の除去、悪玉コレステロールの酸化防止による血管の掃除などに効果的です。他にも痴呆の予防、血糖値の抑制効果など多くの機能性が報告されています。

またトマトにはグルタミン酸による「だし」効果があり、イタリア料理の美味しさの秘訣とか。なかなか奥の深い食材ですね。