みやざきブランド推進本部

みやざきブランドとは?
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みやざきブランドとは?
特長ある商品づくり
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安定的な取引づくり
「環境」に着目した新戦略の取組
「健康」に着目した新戦略の取組
「環境」に着目した新戦略の取組
減農薬・減化学肥料栽培の技術

フェロモントラップ
 昆虫の雌が放出する性フェロモンを化学的に合成したものですが、野菜に直接散布するものではなく、目的とする害虫の雄をトラップで誘殺して雄の生息密度を下げ、交尾の機会を少なくするもの(大量誘殺)と、雄成虫の雌成虫探索能力を攪乱し、交尾を阻害して(交信攪乱)後代の増殖を抑制するものがあります。
※写真ははくさいの害虫「ハスモンヨトウ」の雄を誘殺しているところ。

紫外線カットフィルム
 病気や害虫の一部は波長が380nm(ナノメーター)付近以下の近紫外域の光線が照射されないと、病原菌では胞子形成が阻害され、害虫では行動が正常におこなわれません。この作用を利用して、近紫外域の光線を吸収除去するビニールをハウスの外張りに用いて病害虫の活動を阻害して防除するものです。
 最近は、人用の紫外線(UV)カット商品がたくさん出回っていますが、UVカットは人も野菜も守ってくれるんです。
※この技術でニラの病害「白斑葉植病」の発生が少なくなった。

粘着テープ・板
 文字どおり、粘着テープ・板に虫をくっつけて食害を防ぎます。害虫により好む色があり、テープの色も黄や青があります。
 蝿取り紙、ゴキブリホイホイの野菜版とでもいいましょうか・・・
※品目にもよるが、10a当たり100枚ほどの粘着板を設置している。

天敵の活用
 天敵として害虫を減らす能力が高く、その土地に土着することなく、かつ、周辺環境の生物層に影響を与えないことを条件として人工的に増殖可能なもので、農薬登録されたものを利用した防除法です。ダニ、カメムシ、ハチなどがいます。
 天敵といえども、害虫防除を目的とする場合は、農薬登録が必要で「天敵農薬」として取り扱われていますが、一般に使う化学合成された農薬とは異なることは言うまでもありません。
※写真はタイリクヒメハナカメムシがスリップスを補食しているところ。このような昆虫は益虫と呼ばれ作物に被害を与えることはない。

害虫侵入防止ネット
 ビニールハウス等の換気のための開口部(谷や出入り口等)にネットを張り害虫の侵入を防ぐものです。また、露地栽培では寒冷紗等を被覆して害虫の侵入を防いでいます。
 昔の「蚊帳」、今の時代では「網戸」のようなものです。
※写真はハウスの開口部に張られたもの。

根域制限栽培
 栽培床を強化プラスチックやコンクリート等で完全に隔離する隔離床と、根は通しませんが水は通す化学繊維布(遮根シート)を埋め込み根域を制限する簡易な隔離床があります。
 これらの隔離床に1株当たり約3リットルの土をいれて、太陽熱消毒等で土壌消毒をおこないます。普通の土耕栽培に比べて、土量が少ないので消毒効果は高まります。しかし、土量が少ないため施肥や潅水等の栽培技術は熟練を必要とします。
※写真は遮根シートをハウス内に埋設しているところ。

マルチ栽培
 ポリフィルムなどで、土壌表面を被覆することをマルチングといいます。マルチの目的は、地温の調節、肥料養分の溶脱防止、土壌水分の蒸散抑制、土壌の侵食防止、果実等の汚染・腐敗防止、雑草防除、病害虫回避など多面的で目的に応じて透明、黒、グリーン、シルバー、光反射マルチなどを使い分けします。
 地温確保には透明、地温抑制にはシルバー、雑草対策には黒及びグリーンを使うのが一般的です。また、反射光を嫌う害虫用の光反射マルチも使ったり、ハウス栽培では全面マルチをする場合もあります。このように、マルチングは農薬、除草剤、化学肥料の削減に貢献しています。
※露地栽培では、土壌微生物や光によって分解し土にかえる「生分解性マルチ」が普及しつつある。

誘蛾灯・忌避灯
 果実吸蛾類には、青色蛍光灯に誘引されるものと、黄色蛍光灯による明るい場所を嫌うものがいます。この性質を利用し誘引捕殺、忌避効果により吸害を防ぐ方法です。
 昔から果樹園では誘蛾灯が使われていますが、最近、野菜では黄色蛍光灯の利用が増えつつあります。
※写真は温室内に設置された黄色蛍光灯。

受粉昆虫
 以前は、トマト、ナスで着果促進のためにホルモン剤を使用していましたが、最近は、ほとんどの農家が蜂による交配をおこなっています。ハウス内に蜂を放餌し、交配は蜂に任せます。農家は、ひと花ごとにホルモン処理する作業から解放され、省力化にもなりました。
 トマト、ナスではマルハナバチという蜂が、メロン、イチゴではミツバチが使われています。
 ちなみに、蜂交配であるか否かの見分け方は、トマトでは果実のテッペン(花痕)がやや大きく、ナスではホルモン処理したものは先が尖っているのに対し、丸みをおびています。
※写真はトマトに受粉中のマルハナバチ。

対抗植物(土壌クリーニング作物)
 野菜の実害のひとつに、根の中に侵入して野菜の生育を著しく阻害するセンチュウがあります。このセンチュウの密度を抑える植物を対抗植物といい、目的とする野菜を栽培する前に植え付けます。
 対抗植物を輪作体系に組み入れることによってセンチュウの密度を下げ被害を軽減します。
 また、土壌に過剰に蓄積した養分等を吸収して除去する効果もあります。
※写真は、ソルガム。この他にも代表的なものとして、マリーゴールド、クロタラリア、ギニアグラスなどがある。


良質堆肥の散布

土壌診断書の作成
減化学肥料対策
 本県では、畜産県としての豊富な堆厩肥を活用した健全な土づくりに努め、農産物の収量や品質の向上を図るため、(1)有機物(Organic matter)の適性施用、(2)深耕(Deep plowing)の実施、(3)土壌診断(Diagnosis)の実施を推進するODD運動に取り組んでいます。
 この運動は、平成3年7月より取り組まれており、近年、化学肥料の過剰施用による地球環境への影響が問題視される中では、まさに先駆的な取り組みとして高い評価を受けているところであります。
 特に、経済連農産物検査センターでは、産地の土壌や土質等に応じた実践的な土壌診断ソフトを開発して適正な施用を行っています。
 ブランド対策においても「環境循環型野菜(みやざきエコ野菜)」を中心に、ODD運動への積極的な取り組みを推進しており、消費者の皆様に健全な土壌から生産されるおいしい農産物をお届けできるようがんばっています。